労働組合ってなんだろう?

 たとえば、A社に1,000人の従業員がいるとして、そのうち90人だけが、労働組合に加入している場合と、900人が加入している場合と比べると、会社(経営者)に対する組合の影響力は、明らかに後者すなわち900人が加入しているときの方が大きいはずです。

 そこで組合は、会社と交渉して「A社の従業員は必ずA社組合に加入してもらう」という趣旨の契約を結びます。これが「ユニオン・ショップ協定」です。

 ユニオン・ショップ制は、組合の影響力を強める働きをします。

労働組合ってなんだろう

もっと豊かに もっと幸せに

 たった一人の力は、限られたものです。例えば、もっと給料を多く、もっと働く時間を短くなどといった要望を、一人で会社の上司に訴えたとしても、なかなか解決できません。
 ところが、労働組合がみんなの意見をまとめ、会社と交渉すれば、解決に向かうことができます。待遇の改善、職場の不満の解決は、働く者が力を合わせて初めて実現できるのです。連帯、つまり心と心の結びつき、人と人とのつながり、力を合わせることが、労働組合の原点であり、幸福を呼び寄せる力なのです。
 仲間の一人ひとりが、希望の持てる、夢のある生活ができるように、力強く応援します。

働くこと 生きること 大切にしたい だから・・・

 職場や生活の中で、悩みごと・困ったことが起きたら気軽に労組役員に相談してください。どんなことでも、労働組合は、あなたの力になります。
 職場におけるさまざまな問題や労働条件(賃金、働く時間、勤務制度など)の改善については、会社と協議・交渉し解決していきます。仲間とその家族の人生をより豊かなものにするために、さまざまな活動をしています。また、家庭の問題や地域の生活環境、他人とのもめごとなど、生活に関わるさまざまな問題についても、解決に向けてサポートします。
 まずは、あなたの身近にいる労組役員に相談してみてください。

労働組合はみんなで決めるところ

 労働組合は、ものごとを「みんなで決める」ことを原則としています。従って、賃金引き上げや一時金(賞与)の要求水準をどうするかなども、全員で決めていきます。しかし、まったく白紙の状態から一人ひとりの意見を積み上げていくのは非効率です。ですから、労組役員が専門的な知識・情報に基づいて“原案”を作ります。それに対してみなさんが、意見・要望を出し、職場ごとの集会などを通して、十分な話し合い(討議)を行なった上で、最終的にはみんなの意見で決めるという方法をとります。
ただ、そういう機会がどんなにたくさんあっても、実際に発言をする人が少なければ「みなさんで決める」という原則そのものが中途半端なものに終わってしまいます。みなさんもぜひ積極的に発言していってください。

労働組合はみんなで行動するところ

 みんなで決めたことは、みんなで守り、みんなで分担して実行する。これも労働組合という組織の大きな特徴です。「みんなで行動する」ということは、みんなが「私がやる」という意識を持ったときに初めて成立することなのです。よって「みんなが主役」だということです。
 今後、みなさんが気軽に参加できる労働組合の行事や集会等、自分から進んで参加し、役割を分担するようにしましょう。

より良いパートナーシップで

 労働組合と経営者の立場は対等です。そして労使の間には協力してやることと立場の違いから対立することがあります。
 協力してやることは、例えば、働きがいのある職場をつくり、会社を発展させていくというような共通の目的については、労使が協力します。賃金をいくら上げるのかというような問題については、労使がお互いの立場から意見を十分主張し合った上で、解決点を見い出すようにします。会社のいいなりになったり、逆に経営者を敵と見なしたりする労働組合は、本来あるべき「働く者のための労働組合」とはいえません。

労働組合は憲法で保障された組織

 労働組合の権利は憲法で保障されています。
 誰でも労働組合をつくれますし、加入することができます。
 憲法で保障されている「労働三権」(団結権、団体交渉権、団体行動権)は、NPO や市民団体などには認められておらず、労働組合のみに与えられている権利です。
 こうした権利の具体的な内容を規定したものが「労働組合法」です。この法は「労働三法」(労働組合法、労働基準法、労働関係調整法)の一つです。
 労働関係の法律には、労働契約法、労働安全衛生法、男女雇用機会均等法などがあります。

労組活動は組合費でまかなわれている

● 組合員のみなさんから集められた組合費の使われ方は、大会などで報告され、組織内監査、公認会計士によって定期的な監査も行なわれます。
● 組合費のほか、仲間で出し合うお金として「総合共済掛金」「福祉基金」があります。総合共済掛金(170円/月)はみんなの生活を幅広くサポートすることに、福祉基金(100円/月)は社会福祉や組織内福祉活動の推進と充実に役立てています。